対談 − WEBプロ年鑑 ‘07 −
人と人とをつなぐメディア展望論
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プロジェクトマネージメントについて

江崎:プロジェクトマネージメントがきちんとできるかどうかが、きちんと仕事が終われるかということに、関係してきますよね?
藤井:その通りなのですが、Web業界の中で、プロジェクトをマネージメントできる人が少ないということが問題なんです。本来であればクライアント側にもそういうプロジェクトをマネージメントできるWebプロデューサーを立てるべきなんです。それは、外部から一時的に連れてきた人ではなく、Webに関する権限を持っていて、社内調整もある程度できて、Webの知識もあるといったような人を社員の中からきちんと育てていった方がいいと思います。こうすると、今よりもさらに成果の上がるWebを、効率的に作ることができるはずです。
江崎:しかし、そのような人材を確保するのは難しいですよね。ティファナさんは、どうやって探していらっしゃるんですか?
藤井:私は今、いくつかの大学院でWebディレクションの講義を行っています、そこでデザイナーやエンジニアなど、分野の違う人たちのモチベーションをどう上げ、どうプロジェクトを統括していくかを教えています。生徒の何人かは当社に就職してくれますが、実際、プロジェクトをマネージメントできる人材を確保することは、とても難しいことです、現場で経験を積まして育てていくしかないように思えます。
江崎: テクノロジーのバックグラウンドがあって、さらにお客さんが欲しいものを上手にデコレートしていくという、 “情報アーキテクト”をどう育てるかというのが重要なんですね?
藤井:とても重要です。しかし就職の時でも、グラフィックデザインをやりたいと言って入ってくる人は多いのですが、情報デザインがやりたいと言う人はほとんどいませんね。ですからうちの場合は、プログラムやグラフィックデザインをある程度経験させたら情報アーキテクトに職種を変えさせます。そうすると、彼らの活躍の場がぐっと広がります。
江崎:ユーザが求めているシステムをどう作っていくかというのは、企業側より、制作会社の方がカスタマーに近いので分かるのではないでしょうか?
藤井:そうですね。企業側は、自分達のWebをユーザとして使うことは少ないですが、制作会社はユーザの立場に立った考えができますよね。しかし、うちの会社でも、Webのプロトタイプが出来た段階で、第三者に協力願いユーザビリティチェックをしたりしますが、ユーザ導線を熟考してサイトを作ったはずなのに、押して欲しい所をクリックしてくれなくて、作り直し、なんてこともあります。
江崎:僕達は、プロなので直感で「ここクリックすればいいんだろうな?」と言うのが分かるんですよね。でも、初心者や一般のユーザさんはそうではないんですよね?
藤井:ええ、だからこそ、誰もが直感で使えないものはダメだろうと思います。でも、情報アーキテクト不在のプロジェクトでは、時としてあまそこを考えずに作ってしまう場合があります。結局頭の中だけで考えるのではなく、随時チェックをし、フィードバックを得て作り直すという、仮説&検証の繰り返しをしていかないといい物は出来ないですね。
江崎:バランスの取れた階層構造にしなければいけませんよね?いろいろな人が見て、すべての人が使いやすいというような。
藤井:同じ企業のサイトでも、商品が欲しい人と、IR情報を見たい人では、導線が違いますよね。ですから、どんなユーザがどんな情報を求めてサイトに訪問するのか?というのを見極めて、構造化しなければいけない。企業の思い込みだけで、ターゲットユーザを特定してしまうと、既存顧客にはよくても潜在的顧客には使いづらいなんてことにもなりかねません。また現在では検索エンジンを利用するユーザは直接目的のページを訪れます、HPのトップページから入る訳ではありません。そうなると、各ページのコンセプトを明確にし、そのページは誰に見てもらいたいのかというターゲットユーザを明確にし、ユーザが検索エンジンで使用する可能性の高いキーワードを使い、かつ満足してもらえるコンテンツを考えることが必要です。またユーザが求めている情報をいかに分かりやすく表示するか。どこに自分がいるのか、どのページを見ても分かるようにしなければいけない。これがイコールSEO対策にもつながっていくわけです。
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